マンションの名称とキラキラネーム
高校の同級生に元久留米大学の名誉教授がいる。最近、彼から次のようなメールを受け取った。
「よく買い物に行くスーパーの近くに新しいマンションが建ちました。何という名前かと近づいてみると、「Boite blanche ボワット ブランシュ」と表記されています。
白を基調とした四角の建物です。「boite」は、箱という意味の名詞です。辞書を引いて見ると、箱という意味の他に、[俗]家という意味もあります。このマンションは「白い家」とでもいうのでしょう。フランス語は形容詞、名詞の順ではなく、名詞、形容詞の順になります。
固有名詞だから、どのように命名しようが問題になることはありませんが、多くの人が辞書を引かなくては意味がわからないというのであれば、首を傾げてしまいます。
ちょっと話はそれますが、巷では難読の名前、キラキラネームが話題になっています。耳長(うさぎ)、華月姫(かぐや)などは、一度聞いたら忘れませんが、本人は将来的には苦労するでしょう。名刺を渡したとき、話題のきっかけになって場が和むという利点もあるでしょうが。」
このメールに対して、私は次のように返事を書いておいた。
「こちらでも、マンションの名前が横文字になっているのを多く見かけます。近所にマンションが建ちましたが、マンションの名前はまだ決まっていないのでしょう。大地主と思える妙齢のご婦人が不動産業者と大声で議論しているのをマロンの散歩で見かけました。ご婦人いわく、フランス語で「金持ちの住む家」がいい、だってフランス語なんて誰もわからないのだから、と主張していました。不動産業者は「今は若い者が買う時代だから、フランス語も判る人が多いので、それはやめた方がいいですよ」、とかなんとか。その後、そのマンションの名前がどう決まったかは知りません。もし、運よく近所を散策することがあれば確認してみましょう。
キラキラネームですが、先日の新聞には「戸籍の元データとなる出生届には今でも氏名の読み方を記入する欄があるが、法的な裏づけはなく、戸籍には記載されてこなかった。政府は、2024年に海外で利用が始まるマイナンバーカードへのローマ字表記や、行政手続きのデジタル化促進のため、読み仮名もカタカナで戸籍に追加することにした」、とあり、さらに「読み仮名の許容範囲を検討してきた法制審部会は最終的に、(1)戸籍法に規定は設けず、差別的、ひわいといった権利乱用や公序良俗に反するものでない限りは認める(2)戸籍法に「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものでなければならない」という規定を設ける――の2案を検討。国民へのアンケートで最も支持された(2)案の採用を決めた」とありました。
そうなると、光宇、七音、海、美富、音音、勉次、雪、愛月姫などが名前になっていると世間を騒がせているキラキラネーム群は、今後どうなるのでしょうかねー---?
彼からの返事はまだこないところをみると、返答に困っているのかもしれません。読者の皆さんはいかに!
投稿:バタやん(商2)
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